もう一度、誰かと歩くということ:40代女性の婚活(第12話)
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これは40代女性の婚活
8年交際した忘れられない元彼
もう結婚はしないと、そう思っていた彼女が
2021年5月、再び歩き始めた婚活は――
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二つのご縁が終わってから、
明菜さんの婚活は、
少し静かな時間に入りました。
入会当初のように、
次々とお見合いの申込みが届くことは、もうありません。
あの頃はいわゆる“バブル”のような状態で、
気がつけば、すぐに仮交際5名。
けれど今は――
申し込まれも減り、
自分から動かなければ、何も始まらない。
ただ、明菜さんは、
”自分から申し込むこと”に、まだ慣れていませんでした。
「慎重になりすぎずに、まずは申込みをしましょう」
そうお伝えしても、申込みは、どこか控えめで、
数も限られていました。
そして――
申し込んでも、断られる。
その繰り返し。
気がつけば、
時間だけが過ぎていきました。
入会から、9ヶ月。
大きな動きのないまま、
定期面談の日を迎えました。
過去に縛られる
席に着くなり、
明菜さんはぽつりと、こう言いました。
「私...
過去を、気にしすぎてるんでしょうか?」
少しだけ、
切羽詰まったような表情でした。
ゆっくりと話を聞いていくと、
彼女の中で、いくつかの想いが
重なっていることが見えてきました。
8年付き合った元彼の存在。
あの時間が長かったからこそ、
恋愛に踏み出せなかった過去。
そこから一歩踏み出して、
結婚を考え、相談所に入会。
そして――
順調に進んだ仮交際。
5人の中から、3人を断り、
残った2人にも断られたという現実。
明菜さんは、静かに言いました。
「今になって思うんです。
あの5人の方、
皆さん本当に素敵な方だったなって…」
少し間を置いて、
「私の選択、
間違っていたんじゃないかって」
その言葉には、
後悔の色がはっきりと滲んでいました。
「3人をお断りしたから、
その“バツ”みたいに、
残りの2人にも断られた気がして…」
そして、最後に――
「なんで…
あのとき、ちゃんと決められなかったんだろう…」
それは、
誰に向けた言葉でもなく、自分自身への問いでした。
過去は、変えられません。
けれど、人は、どうしても振り返ってしまう。
「あのとき、違う選択をしていたら」
その思いが強くなるほど、
目の前のご縁は、
少しずつ見えにくくなっていきます。
私は、こうお伝えしました。
「過去の選択に、
正解も不正解もありません。
そのときの明菜さんが、一番考えて出した答えです」
「それにーー
過去を考えること自体は、悪いことではありません。
でも、
そこに気持ちが向きすぎてしまうと、
前に進みにくくなることはあります」
明菜さんは、
ゆっくりと頷きました。
「入会前と同じなんですね...わたし
過去ばかりですね、きっと」
その表情は、
少しだけ、力が抜けたようにも見えました。
過去を否定する必要はありません。
けれど――
そこに留まり続けると、
未来は動かなくなる。
明菜さんの婚活は、
ここから少しずつ、
“向き合い方”が変わっていきます。
